ご夫婦部屋へのご入居
F様ご夫婦のご入居相談を初めに頂いたのは、奥様の入院先の相談員さんからでした。
奥様はリハビリの成果もあり、随分と元気になられ、ご本人も早く退院したいとのことでしたが、ご自宅は団地の3階で階段を上り下りするのは難しく、施設入居に向けご家族とお話をされているとの事でした。
ご主人は既に他市のサービス付き高齢者向け住宅にご入居中だったこともあり、「この機会に夫婦で入れる施設に入居してはどうか?」とのご相談でした。
ご主人は数年前に入院され、退院からそのまま施設へ入居されたこと、奥様の入院やコロナ禍も重なり、ご夫婦で長い間顔を合わせることができない状況が続いていたため、息子様はご両親が以前のように夫婦で過ごすことができればと思っていらっしゃいました。
夫婦部屋のある条件に合った施設をご提案し、奥様は入院先から外出許可をもらい息子様も一緒に見学に行きました。医療体制や金額面も慎重に確認された上で、ご自宅近くのアットホームな施設でご入居意向を頂きました。
入居当日、ご主人は息子様ご家族が、奥様は私たちがお迎えにあがりました。
施設までの車内には、数年ぶりの再会にドキドキされながら溢れんばかりの笑顔の奥様がいました。ご主人の到着が若干のトラブルで予定より1時間半程度遅れましたが、無事にご夫婦の感動の再会が実現しました。
「仲良くしよなー」とご主人が声をかけると、奥様がご主人の手を握り締め涙ながらに笑顔で頷かれました。
施設のスタッフの方や私たちももらい泣きしてしまう程の心温まる時間に立ち会うことができました。
夫婦部屋では一日のほとんどをご夫婦で一緒に過ごすことになります。良いときも悪いときもあって当然です。
ずっと一緒にいることが負担になるご夫婦もいらっしゃれば、ご一緒でなければ不安になるご夫婦もいらっしゃいます。
かけがえのない時間をご夫婦で気持ちよく過ごせるように、私たちは1人1人の個性やお気持ちを大切に、それぞれにあったご提案を心掛けています。