どうして床ずれ(褥瘡)は出来てしまうの?
老人ホームなど長期入院になるとベッド上での生活が中心になると、床ずれが発症する場合があります。
床ずれは一度できてしまうとなかなか治らず、悪化すると壊疽してしまう可能すらもあります。
そのため老人ホームでは、床ずれにならないよう予防をしていたり、床ずれへの適切な処置をおこなっているところがほとんどです。
では、この床ずれとは何故できてしまうのでしょうか?
床ずれ(褥瘡)の発生頻度はどのくらい?
床ずれと褥瘡は表現は違いますが、同じ意味を持っています。
脳梗塞や脊髄損傷などで寝たきり状態が続いてしまうと、背中やお尻などの皮膚が擦れて剥けてしまいます。
21世紀の大問題としてあげられるのは、やはり高齢化社会ではないでしょうか。
今世紀半ばになると60歳以上が大半を占めることになると言われています。
医療費は一体いくらになるのか、誰が負担するかなど不景気を漂わせる話題が多くなってしまうものです。
これは、いわゆる寝たきり老人が増加するとも解釈できるので当然床ずれの発症者も増加するということになります。
我が日本国では、床ずれになっている高齢者はどのくらいいるかご存知ですか?
実は正確な統計が出ていないのが実情ですが、寝たきりの高齢者は全国内に100万人以上いるということから、おおよその割合が把握できるでしょう。
床ずれの原因とは?
皮膚は圧迫した状態が長時間続くと血液が途絶えてしまいます。
一定時間内に必要な酸素や栄養分を供給しないと細胞が死滅してしまうのです。
また、微小血管自身も血栓ができることによって閉塞してしまい、さらに組織を懐死させてしまい、この一連の変化によって炎症反応が起きてしまいます。
圧迫時間が短ければ皮膚は一時的に赤くなるだけで、組織も元に戻ります。
しかし長時間になると完全に懐死に陥り、息を吹き返すことはないでしょう。
実験によると、同じ箇所に約2時間接続的に圧をかけると床ずれが発生することがわかっています。
健常な人であれば圧迫時間が長くなると、無意識に体を動かし圧迫の痛みから逃れますが、神経機能が働かない人はそれを回避できないので自然に床ずれが生じてしまいます。
脊髄損傷なるとこの神経機能が完全に失われてしまうので、床ずれを予防することは難しいです。
治療によって痛みや症状は軽減できても、根本的な原因を取り除くことはできず、再発を繰り返すことになるでしょう。
脊髄損傷などの病気を患っていなくても、寝たきりの状態になってしまうと、床ずれは起きてしまいます。
寝たきり高齢者は、長時間ベッドの上でゴロゴロと寝ていると、関節が固まったり体位交換も行えなくなります。
早くから、運動療法などを取り入れて予防することをおすすめします。