今のうちに聞いておこう!「胃瘻作りたいですか?」
皆さんは「胃瘻(胃ろう)」という言葉をご存じでしょうか?
胃ろうは延命処置などで用いられる方法で、お腹に胃と直結させる穴を空け、そこからチューブを差し込み直接的に栄養や水分を注入する方法の事をいいます。
場合によっては重度の介護が必要な場合にも胃ろうが用いられます。
老人ホームでも、看護師が常駐している老人ホームであれば胃ろう持ちの高齢者の受け入れがなされています。
今回はこの「胃ろう」をテーマにしたお話をさせて下さい。
介護では胃ろうを勧められる?
在宅介護・老人ホームに関わらず、重度の要介護者には「胃ろう」を勧める動きが活発化しています。
何故かと言うと、要介護者1人1人の面倒を見切れなくなってきている現状があるからです。
特に老人ホームなどでは要介護者の食事に見守りが必要だったり、食べ終わるまで食事の介助が必要となり、食事だけでかなりの時間を要します。
これを胃ろうにすれば、食事介助の制限が緩和されるどころか、栄養の吸収もよくなるため要介護者も元気になりますし、そして何と言っても老人ホームのスタッフの負担が圧倒的に楽になります。
これは老人ホームだけのことではなくて、在宅介護でも同じことです。
高齢者は噛む力と飲みこむ力が弱まるため、誤嚥を引き起こしやすくなります。
誤嚥はさまざまな病気の引き金にもなりかねないので、胃ろうにすることで病気のリスクも下げられます。
胃ろうのデメリット
胃労を処置を行うことで得られるメリットは多いですが、同じくデメリットも存在するためよく考えてから決断するようにしましょう。
胃ろうを作ると、一切自分で食事を取れなくなります。
胃に繋がるチューブから栄養を摂取するので、自分でご飯を食べる必要がなくなります。
そうして過ごしていくうちに嚥下障害が酷くなることもあります。
最終的には食べるという行為すら忘れてしまうかもしれません。
口を動かす必要がなくなるため、噛む力・飲みこむ力が弱まり、将来的に話すことができなくなる可能性が高いという事を把握しておきましょう。
胃ろうを勧められたら…?
健全な状態の高齢者に胃労を勧めることはまずありません。
胃ろうを勧められるということは、重度の高い介護が必要な状態だと言えるでしょう。
しかし、認知症を患っている高齢者は胃ろうのチューブを引き抜いてしまったり、チューブの効果が必要なため、受け入れ可能な老人ホームは限られてくるでしょう。
老人ホームによって胃ろうでの受け入れを勧めている施設と、胃ろうの受け入れが不可能な老人ホームがありますので、老人ホームを決める際に胃ろうでも入居可能かどうかはしっかり確認しておく必要があります。