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兄弟と同居の親が家庭内で虐待されていたらどうする?

公開:2017/8/12  

高齢化社会により、自宅で介護を行う世帯も増えています。

その中で深刻化している問題が家庭内での虐待です。
厚生労働省の調べでは2012年の高齢者虐待の数は約15,000件もあると分かり、かなりの人数が虐待の被害にあっています。

もし兄弟と同居している親が虐待にあっている場合、どのような対処が必要なのでしょうか。

 

家庭内の高齢者虐待は自覚が少ない

虐待と聞くと身体的な暴力をイメージしますが、近年は心理的な虐待や経済的虐待、介護や世話を放棄するなどの虐待も増えています。

虐待は勝手に人のお金を使用したり、暴言をはき続けたりという些細な行為でも、高齢者の尊厳を傷つける行為であれば虐待に当てはまるわけです。

厚生労働省による2012年の調査では身体的暴力が65%と大半を占めていますが、心理的は40%にも及ぶ結果が報告されています

さらに、心理的や経済的虐待の場合は虐待している自覚がほとんどない上で行われているケースがあるのです。

高齢者虐待は時に命の危険性を負う事態にも発展するので、家庭内でも虐待の疑いがあれば直ちに相談を行うようにしましょう。

 

どこに相談するべき?

高齢者の増加に伴い、高齢者虐待の件数も増加傾向にあります。
もし家庭内で高齢者虐待があった場合、どこに相談すれば良いか迷ってしまうでしょう。

高齢者虐待の相談は市区町村の窓口、もしくは地域包括支援センターへ相談してください。
地域包括支援センターでは社会福祉士が在籍しており、適切な方法で対応してくれます。

必要であれば自治体や警察との連携もとってくれるので、安心して虐待問題を解決できます。
窓口の連絡先が分からない場合はお住まいの市区町村役場か保健所に連絡することで、部署につないでもらったり、番号を教えてもらったりすることが可能です。

通報すると兄弟にばれてしまうと気になってしまいますが、高齢者虐待防止法では通報者の保護も重視されています。

なので、通報者の身元などが漏れることがないので、安心して相談することができるでしょう。

 

虐待の原因となる介護うつ

高齢者虐待の要因となりやすいのが介護うつです。

介護にはかなり大きな労力を必要とするため、身も心も疲れやすくなってしまいます。
特に認知症を患う高齢者の介護は負担が大きく、介護のストレスを発散させるために虐待を行ってしまうケースが多いのです。

うつは社会的に問題視されていますが、介護者の4人に1人の割合で介護うつが発症している報告もあります

介護への負担はもちろん、デイサービスなどを利用しても経済面の負担からうつになり、高齢者虐待を意図せずに行ってしまうケースもあるようです。

介護うつは周りも気付きにくいので、親と同居している兄弟へのサポートなどを工夫し、介護ストレスやうつを防止させることも虐待予防では大切でしょう。