寝たきりが引き起こす怖い病気
寝たきりは安静なイメージを持ちますが、実は高齢者にとって様々な弊害にもなります。
その弊害が「廃用症候群」という病気です。
廃用症候群はどんな病気なのでしょうか。
今回は寝たきりが引き起こす廃用症候群についてご紹介します。
廃用症候群はどんな病気?
長期に渡り寝たきり状態が続くと、体や特定の器官が動かなくなり、それにより身体機能に様々な悪影響を与える病気です。
高齢者の場合は体力の低下と同時に活動性も低下してしまうので、思いどおりに体が動かせなくなることから、長時間寝たきりとなりやすくなり、廃用症候群の原因とつながっているのです。
病気や怪我で寝たきり状態になるのは当然ですが、予防にためには適度に体を動かすことも必要と言えます。
廃用症候群が発症する原因について
過剰な安静で筋力、精神の低下
高齢者が病気や怪我で寝たきりなると、立つことや歩行が困難になり、リハビリをするケースが多いです。
高齢者の場合、約1週間の寝たきりで下肢の筋力が約2割も萎縮されると言われています。
さらに自由に体を動かせない状態は精神状態も低下させ、体を動かす意欲を消失されるので寝たきりが続き、廃用症候群を発症しやすくなるのです。
関節の硬化で活動性の低下
体を動かさなくなると関節が硬化し、それが活動性の低下を招きます。
さらに動けない状態になるので、全身の身体機能が衰え、廃用症候群からの寝たきりにもなるでしょう。
廃用症候群の主な症状
廃用症候群を発症することで、様々な症状が生じます。
例えば、筋肉が細々と衰える、骨がもろくなる、心臓機能の低下、立ちくらみや吐き気、誤飲による肺炎、うつ病、逆流性食道炎、尿路結石・尿路感染症、床ずれなどです。
これらは命の危険性を脅かす病気にもつながるので、廃用症候群への対策が求められます。
廃用症候群の対策方法
廃用症候群は絶対安静で発症するものなので、過剰な介護や介助は避けましょう。
家事や趣味などに参加させ、自ら歩く、動く機会を与えることが大切です。
また、病気による寝たきりの場合はそれぞれの病気に応じたリハビリが必要なので、主治医としっかり相談してリハビリをしましょう。
廃用症候群は高齢者のやる気をなくす傾向もあるので、具体的な目標を高齢者と一緒に決め、意欲を支えるサポートが大切です。
個人での介護に限界があれば、訪問介護やデイケアなどの介護サービスを頼るのも手段であり、専門家からのアドバイスも受けましょう。
寝たきりの状態は高齢者にとって様々な悪影響を及ぼします。
寝たきりにならないように生活習慣を改善させたり、積極的に体を動かす機会を与えたりして、予防しましょう。
高齢者が前向きに予防できるよう、家族の温かいサポートが求められます。