特別養護老人ホームでの事故はある?
公開:2017/7/7
特別養護老人ホーム(特養)に入居している高齢者は、心身の状態が低下している方が多く常に危険な事故ととなり合わせになっています。
どの特養老人ホームでもリスクをしっかり把握し、入居者が事故やケガを負わないように努めていますが、起こりやすい事故はどのようなことがあげられるのでしょうか?
特別養護老人ホームで起きやすい事故とは
特養老人ホームでは体が思うように動かせなかったり、認知症を患っている方もいるので事故が起きやすい状況ということは間違いありません。
具体的に特養老人ホームではどのような事故が多いのでしょうか。
- 転倒や転落事故
歩いている時にちょっとした段差につまづいて転んでしまったり、ベッドや車イス、トイレから立ち上がろうとした時に転倒しまうことが事故の中で8割を占めています。 - 誤嚥
食事中に食べ物が気管に入り込んでしまい肺炎を引き起こしたり、時には命にかかわることも考えられます。 - おむつ交換時の骨折
これは介護スタッフが原因で起こる事故ですが、オムツを替えようと体を動かした時に大腿骨などを骨折させてしまう事故です。 - 脱水や低温火傷
特に肝機能が低下している高齢者は脱水症状に陥りやすいので、気付いた時には昏睡状態になっていることもあります。
温熱便座や湯たんぽなどで低温火傷になってしまい、表面は気にならなくても内部で壊死が進んでいることがあります。 - 皮膚が剥離してしまう
体の位置を動かしたり、体に無理な力がかかってしまうと皮膚を傷つけてしまいます。
これにより内出血を起こる可能性もあります。
事故防止のために介護スタッフが考えていること
特養老人ホームで介護しているスタッフは、このような事故を防止するために普段から事故防止対策をしっかり身につけています。
リスクがあるなら「生活行為を抑える」という発想もありますが、これは老人ホームに入居している本人が自分の行動を制御されることに対して抵抗してしまうことが考えられます。
自分らしい生活ができないということで、スタッフに対しての嫌悪感や反発心が出てきてしまい、新たな事故に結びつくケースもあるのです。認知症の方への行動を制御すれば、きっと信頼関係も悪化してしまうでしょう。
このような点から特養老人ホームでは、事故防止のための対策案と入居者にとっての生活の質を考慮しながら日々の体調管理と危ない箇所がないかなど配慮しながら介護しています。
特養老人ホームでもしも事故が起きてしまったら
もしも事故が起きてしまった時は、高齢者は命にかかわることもあるので迅速に対応することが肝心になります。
状態を把握し、治療や処置が必要であるかどうか看護師や医師の指示を仰ぎ確認します。
応急処置をした方がよければ行い、すぐに特養老人ホームからご家族に連絡をとります。
症状によっては受診しない場合もあり、利用者の負担にならないように判断します。