総合支援事業で健康寿命を延ばそう
日本は平均寿命が世界でもトップクラスの長寿大国です。
しかし、健康寿命との差が大きく離れており、介護が必要な方が増えてきているのです。
特別養護老人ホームなどの様々な老人ホームでも介護を必要とする高齢者の方が多く、入所待ちを余儀なくされている方もとても多くいらっしゃいます。
こうした問題を改善するためにも、政府でも国民の健康寿命を伸ばすための取り組みを行っています。
具体的にどのような取り組みが行われているのでしょうか?
総合支援事業で健康寿命を伸ばす
厚生労働省を中心に今まで介護予防事業が取り組まれてきました。
介護予防事業とは元々、高齢者の方が老人ホームや在宅介護サービスなどを受けなくても元気に過ごしてもらうことを目的としています。
そのため、対象としていたのは介護保険認定されていない自立している高齢者、要支援1・2の高齢者が対象となっていました。
この取り組みは各自治体ごとに運営を行っており、様々な介護予防事業を行ってきました。
例えば、筋力を衰えないように運動機能を向上させたり、高齢者が不足しやすい栄養素を摂取するためにはどうすれば良いのか、口腔機能の向上、認知症予防やサポートなど、幅広く介護予防に関するサポートが行われてきました。
現在も介護予防に関わる事業は続けられていますが、介護保険制度の見直しが行われてからは、「地域包括ケア」が重要視され、介護予防に加えて日常生活のサポートを充実させようと、日常生活支援総合事業も積極的に取り入れられるようになっていったのです。
このサポートでは、例えば在宅されている高齢者の見守りサービスや、元気だけどご飯を作るのが大変という方に対して配食サービスを行ったりするなど、生活に関わる総合的な支援となります。
こちらの支援も並行して行われることで、介護を必要としない健康寿命が伸びることにつながると言われているのです。
介護予防を行う老人ホームもある?
老人ホームというと既に介護が必要な方が利用するための施設というイメージがあるかと思いますが、実は介護予防を行うための老人ホームもあります。
それは、「介護予防付き有料老人ホーム」です。
介護予防付き有料老人ホームでは、介護認定の要支援1・2の方を対象に介護予防を目的としたサービスを行っています。
例えば食事や排泄、入浴などの機能訓練やサポート、栄養管理、体と心のケアなどを受けられるのです。
この他にも、特定施設入居者生活介護という、指定を受けている有料老人ホーム・軽費老人ホームが、機能訓練などを提供することができるところもあります。