認知症で徘徊をしてしまう理由
高齢になると認知症になる方が増えますが、老人ホームでは認知症の高齢者を受け入れている施設も多くあります。
認知症の症状は人それぞれですが、家の中や外を歩き回るという徘徊行動をする方もいらっしゃるでしょう。
他の人から見ると意味なく徘徊していると思われがちですが、実は目的があって行っている場合もあるのです。
では認知症になると、どうして徘徊をしてしまうのでしょうか。
老人ホームで認知症の方が徘徊する理由
認知症の方はじっとしていることが困難になる場合があり、落ち着かずに部屋をうろうろすることがあります。
しかし、それには何か目的があることも多いのです。
老人ホームへ入所している場合、自室がどこだか分からず、老人ホーム内を徘徊することがあります。
また、老人ホームから外へでてしまう理由としては、老人ホームで暮らしていることが理解できず、自分の家に戻ろうとして出て行ってしまうのです。
しかし、探しても家を見つけることができず、その内に何を探していたかも分からない状態になり、ただ歩き続けてしまうケースもあります。
認知症になってしまうと、疲れといった感覚も鈍くなり、それにより夜通しでも歩き続けられたり、遠くまで徘徊できたりするのです。
また、老人ホームから出るという目的がなくならない限り、徘徊を繰り返す場合があります。
さらに、認知症にも種類があり、前頭側頭葉型認知症は同じ行為を繰り返す傾向があるのです。
例えば、夜ベッドから抜け出して、老人ホーム内やその周辺を一回りしてからベッドに戻る、この行動を繰り返し行うことがあります。
この場合は迷子や行方不明のケースは少ないですが、交通事故や転倒といった事故にあるケースが多いです。
認知症の方への対応について
認知症の家族を老人ホームに入居させていると、徘徊でスタッフに迷惑をかけていないか不安になったり、つい入居者に怒ってしまったりする方も多いです。
しかし、認知症を受け入れている老人ホームでは、認知症の知識や理解を持つスタッフが介護サポートをしているので、心配はありません。
また、認知症の家族への対応として、怒ることはやめましょう。
老人ホーム内でうろつく行動は、部屋やトイレなどを探している場合があります。
そこで怒ってしまうと老人ホームが嫌な場所という認識を与え、余計に外へ飛び出してしまう可能性もあるのです。
ですから、徘徊をしはじめた時は、優しく「部屋に戻ろう」「トイレに行こう」と声をかけてあげましょう。
また、無理に誘導されることを嫌に思うこともあるので、なるべく気が済むまで歩かせ、転倒の危険があれば別の話題を振って、気分を落ち着かせてから老人ホームの居室に誘導する方法も良いでしょう。