N様からのお電話は、入所されている老人保健施設の相談員さんから受け取られたパンフレットがきっかけでした。
初めてお話するN様はハキハキとした口調に強い意思のある声で、施設をお探しになられているご本人とは思えないほどの力強さを感じました。

70代前半で要介護3のN様は脳梗塞を発症後、治療やリハビリを経て一度は自宅に戻られましたが、転倒によ
る骨折で、再入院後に今の老人保健施設に移られました。その間に自宅は処分してしまったため、帰る家はありません。
現状に満足されていないお話を聞き、一度お会いすることになり、入所中の老人保健施設へ伺いました。

N様は半身麻痺があり車椅子での生活でしたが、リハビリを随分頑張られたのか移乗動作や車椅子操作など驚くほど安定されていました。
身だしなみもしっかり整えられていて、「まだ自由をあきらめたくない」とお話しされた言葉が印象的でした。

N様の希望は「自由に一人でも外出ができ、好きなものを作って食べたい！」私たちが普通にしている暮らしを望まれていたのです。

一般的な施設のほとんどが一人で自由に外出ができない所が多く、N様の望む生活が送れるイメージがつきませんでした。
N様の場合、環境さえ整備されていれば、介護サービスを利用して、なんとか一人暮らしが送れるのでは？と考え、施設より自由度がある高齢者向け賃貸住宅をご提案しました。

見学後、老人保健施設のリハビリ職の方が、実際の環境下でご本人やサポートしてくださるご親戚の方に今後の生活で心配な部分をご指導下さり、ご入居することを決められました。

決して万全の体制がある一般的な施設ではありませんが、そこにはご本人が望む暮らしがありました。
自由がある分、不安はつきものですが、今この時を大切に毎日を自分らしく過ごすことは幸せな日常ではないでしょうか。

私達は皆様の今を大切に考え、様々な視点からご提案させていただきます。共に考え、悩み、少しでも理想の暮らしを叶えられる力になりたいと考えています。是非お気軽にご相談ください。